プラスチック再利用の現状と可能性!リサイクル方法と企業の取り組み

プラスチック製品は私たちの生活に欠かせない存在ですが、その大量生産に伴い環境問題が深刻化しているのを知っていますか?

現在、企業によるプラスチック再利用の取り組みが進歩しており、私たちが個人でもできる再利用への取り組みも多くあります。

本記事では、

  • 廃プラスチックの再利用法
  • 日本と世界のプラスチックリサイクルの違い
  • プラスチックリサイクルの技術
  • 消費者ができるプラスチック再利用への取り組み など

について詳しく紹介していきます。

プラスチックの再利用に関しての知識を増やして、環境問題に貢献しましょう!

目次

廃プラスチック再利用の方法:様々な方法とそのメリット・デメリット

廃プラスチックの再利用方法とそのメリット・デメリット

廃プラスチックの再利用法にはいくつか種類があり、それぞれの方法には様々なメリット・デメリットがあります。

ここでは、以下のことについて紹介していきます。

目次

  • マテリアルリサイクルの方法と製品例
  • ケミカルリサイクルの技術と可能性
  • サーマルリサイクルとそのエネルギー回収

マテリアルリサイクルの方法と製品例

マテリアルリサイクルとは、廃棄物を新しい製品の素材として再利用する技術です。

マテリアルリサイクルには、2種類あります。

  • レベルマテリアルリサイクル

廃棄物を分解し、同じ製品の素材として利用する。

例.廃プラスチックから新たにプラスチック製品を作り出す。

  • ダウンマテリアルリサイクル

廃棄物の品質が悪い場合、1段階下げた分野の素材として利用する。

例.レジ袋などの包装廃材を分解し、水切りネットの素材として利用する。

この方法のメリットは、再利用において資源を節約し、廃棄物を削減できることです。

しかし素材の品質が劣化してしまうため、再利用できる範囲が限定される場合もあります。

ケミカルリサイクルの技術と可能性

ケミカルリサイクルは、プラスチックを化学反応により分解し、原料に戻して再利用する技術です。

具体的には、プラスチックを化学的に分解し、石油やガスなどの状態に戻して再利用しています。

ケミカルリサイクルには、以下のようなメリットがあります。

  • 素材の劣化やいくつかの素材が混合している場合でも、リサイクルが可能なこと
  • 再利用に伴う環境負荷が小さい
  • 限られたエメルギー資源の使用を抑制できる など

このようなメリットがありますが、その一方でデメリットも存在します。

  • 膨大なコストがかかる
  • 難燃剤などのプラスチック添加物の処理技術の課題
  • プラスチックとそれ以外の素材の分別を徹底すること など

日本では、まだこのリサイクル法の普及があまり進んでいませんが、普及が進めば環境問題改善に大きく貢献するでしょう!

サーマルリサイクルとそのエネルギー回収

サーマルリサイクルは、廃棄物を焼却し、その際に発生した熱エネルギーを回収する技術です。

このリサイクル法で生じたエネルギーは、燃料や電力として利用できます。

このサーマルリサイクルのメリットは以下の通りです。

  • 廃材からエネルギーを回収することで、石油や石炭の消費を抑えられる
  • ごみの量を減らし、ごみを埋め立てる埋立処分場を延命できる
  • プラスチックの劣化から生じるメタンガスを削減できる など

それに対し、デメリットもいくつかあります。

  • 有害物質を排出する
  • 二酸化炭素を排出する  など

このように環境にいい面も多いですが、焼却による有害物質の発生という問題点があります。

この問題解決のために、燃焼技術の進歩が重要です。

日本と世界のプラスチック再利用率の比較と課題

日本と世界のプラスチック再利用率の違いや比較することで見えてくる課題について紹介していきます。

日本のプラスチック再利用率と高い水準の理由

日本は、世界有数のプラスチック再利用率を誇っているように見えます。

2021年廃プラスチック総排出量は824万t、有効利用率は87% プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況(マテリアルフロー図)を公表

引用元:一般社団法人プラスチック循環利用協会

しかし日本が高い再利用率を維持できるのには、理由があります。

それは再利用率の大部分をサーマルリサイクルが、占めていることです。

欧米諸国などでは、サーマルリサイクルはリサイクルに含まれておらず、再利用率には含まれません。

日本のプラスチック再利用率の内訳は以下の通りです。

  • マテリアルリサイクル:21%
  • ケミカルリサイクル:4%
  • サーマルリサイクル:62%

再利用できない種類はほぼサーマルリサイクルされる現状

日本においても再利用できないプラスチックが存在しており、そのほとんどはサーマルリサイクルされます。

引用元:一般社団法人プラスチック循環利用協会

このように他のリサイクル法では、再利用できない廃棄物の多くがサーマルリサイクルに利用されています。

特に再利用できない場合が多いのが、可燃ごみや不燃ごみです。

これらの廃棄物は、汚れていたり分別しきれない場合が多いため、コストが抑えられるサーマルリサイクルに利用されています。

世界のプラスチックリサイクル率ランキング

世界的に見ると、欧州が最も高いリサイクル率を誇っています。

欧州の中でもリサイクル率が高いのがドイツで、ランキングでは1位を取っています。

一方、アジア諸国のリサイクル率は比較的低いです。

アジア・太平洋地域でランキングトップ10に入っているのは2位日本、7位オーストラリア、10位中国の3カ国だけです。

他のアフリカや南米といった地域は、全体的にアジアよりもリサイクル率が低めになっています。

世界のリサイクル率が低い理由と改善策

世界のプラスチックリサイクル率が低い理由は、以下のようなものが挙げられます。

  • コストと素材の劣化の問題
  • 同じ素材を大量に集めるのが難しい
  • 技術的に再利用が困難な場合がある
  • プラスチックに添加剤が使用されている場合がある など

これらの問題は、再利用技術が開発されることで改善されるものが多いです。

しかしプラスチックの回収を促したり、普段からごみの分別を意識するだけでも改善に向かう第一歩に繋がるでしょう。

海洋プラスチック問題が環境に与える影響と取り組み

海洋プラスチックが環境に与える影響と、それに対する取り組みについて

海洋プラスチックは、海洋生物に大きな被害をもたらし、生態系に深刻な影響を与えています。

この問題に対して、行われている取り組みとして以下のようなものが挙げられます。

  • プラスチックごみの減量化
  • プラスチックの回収・再利用を促進する
  • プラスチック代替品の開発 など

マイクロプラスチック問題とその対策

マイクロプラスチックとは、大きさが5mm以下の小さなプラスチックごみのことです。

このマイクロプラスチックは、自然分解されにくく、自然環境の至る所に存在し堆積しています。

それによって以下のような様々な問題が発生しています。

  • マイクロプラスチックに有害物質が吸着する
  • 海洋生物の汚染
  • 汚染された海洋生物を食べた人体への影響 など

対策としては、プラスチック代替品の開発や適切な処分方法の確立などが必須です。

プラスチックは何になる?再利用製品例の一覧

プラスチックが再利用されて作られる製品例をいくつか紹介していきます。

再利用製品①:靴

アディダスなど一部の企業では、海洋廃棄物のプラスチックなどを100%再利用した靴の製造が行われています。

再利用製品②:ボトル(ジョイ)

P&Gジャパンでは、海洋プラスチック削減のために海岸のプラスチックごみを再利用する取り組みをしています。

そして洗剤ブランド「ジョイ」からは、「JOY Ocean Plastic」という食器用洗剤が発売されています。

この洗剤に採用されたボトルは、P&Gジャパンの海洋プラスチック再利用によって作られたボトルです。

再利用製品③:ノベルティ(株式会社トランス)

企業のノベルティグッズには、プラスチック製品を再利用したものもあります。

ノベルティグッズとは、企業が顧客に向けて無料で配布しているグッズのことです。

株式会社トランスのノベルティグッズは、プラスチックを再利用しています。

ペットボトルを再利用した食器など、様々なグッズが作られています。

再利用製品④:ボールペン(パイロット)

パイロット株式会社は、廃プラスチックを再利用してボールペンを製造しています。

ごみから出たプラスチックや海洋プラスチックなどを、再利用し環境に配慮した製品作りがされています。

私たちが、このような製品を使うことで環境問題の改善につながるでしょう!

プラスチックリサイクルの技術革新と取り組み

プラスチックリサイクルの技術革新とその取り組み

廃プラスチックのリサイクル技術における進歩と新たな取り組みについて紹介していきます。

バイオプラスチックの開発と普及

バイオプラスチックとは、以下の2つのプラスチック群の総称のことを指します。

  • バイオマスプラスチック

植物や動物の糞などの再生可能な有機資源を原料として作られているプラスチックのこと。

  • 生分解性プラスチック

微生物の働きによって、最終的に二酸化炭素と水まで分解できるプラスチックのこと。

これらのバイオプラスチックの開発は進められていますが、いまだ再利用に使用できない原料も多くあります。

そして以下のような、課題からバイオプラスチックの普及があまり進んでいないのが現状です。

  • 生産するためのコストが高い
  • 一般的なプラスチックのような機能を保つのが難しい
  • 原料の確保が難しい など

複合樹脂のリサイクル技術

複合樹脂とは、プラスチックや金属といった、2つ以上の異なる原料を組み合わせた材料を指します。

そしてプラスチックが混ざった複合樹脂は、リサイクルが困難でした。

しかし最近では、複合樹脂を再利用可能な状態まで分解する技術が開発され、リサイクルできる可能性が高まってきています。

劣化せずにリサイクル可能なプラスチックの開発

プラスチックは、熱や紫外線、湿度などによって劣化しやすく、再利用が難しいとされています。

そこで、近年進められているのが劣化しにくい、かつリサイクルできるプラスチックの開発です。

開発が進み、広く普及していけば長く使用できて再利用もできるという、SDGsの観点でも大きな進歩になるでしょう。

サーキュラーエコノミーの推進

循環経済(サーキュラーエコノミー)とは、従来の3Rの取組に加え、資源投入量・消費量を抑えつつ、ストックを有効活用しながら、サービス化等を通じて付加価値を生み出す経済活動であり、資源・製品の価値の最大化、資源消費の最小化、廃棄物の発生抑止等を目指すものです。

引用元:環境省

つまり再利用することで廃棄物を減らし、資源の枯渇や環境問題を解決しようとする考え方です。

近年のプラスチックリサイクル技術の発展により、このサーキュラーエコノミーが推進されています。

プラスチックフリーな製品・サービスの開発

プラスチックフリーな製品やサービスについて

最近では、以下のようなプラスチックフリーな製品・サービスの開発も進んでいます。

製品

  • 紙ストロー
  • 竹綿棒
  • 野菜などの植物から作られたスポンジ  など

サービス

  • 飛行機での機内サービスで、使い捨てプラスチックを使わない

など

このようなそもそもプラスチックの使用を控える活動も行われています。

石やガラス、紙素材の製品

石やガラス、紙素材などの製品は原料が自然素材なため、環境にやさしく、再利用が容易です。

製品の例としては、以下の通りです。

  • 石灰石を利用したレジ袋やクリアファイル
  • 紙ストロー
  • 木材を使った食器  など

これらの自然由来の素材を使用した製品を作ることで、リサイクル率を高めることにも繋がります。

シリコン製品

シリコン製品は、石油由来のプラスチックとは異なり、環境に配慮された素材です。

シリコン製品は、以下のような優れた特徴を持っており、幅広く利用されています。

  • 耐熱性
  • 耐久性
  • 撥水性
  • 電気絶縁性 など

一般的には、キッチン用品や塗料、コンタクトレンズなどに使われています。

近年では、シリコン製のストローなども開発されており、プラスチックの代替品としてより注目されるでしょう。

みつろう製品

プラスチックフリーな製品の1つであるみつろう製品について

みつろうとは、ミツバチが巣を作るときに分泌する成分のことです。

またみつろうは、完全自然由来の成分でリサイクル不要であるため、環境負荷が小さいとされています。

一般的には、

  • クリーム
  • 化粧品
  • ワックス など

といった製品に利用されています。

ただし、みつろう製品は熱に弱いため、取り扱いには注意が必要です。

プラスチック再利用の普及:消費者ができること

プラスチックの再利用が普及していくために、私たち消費者にもできることがあります。

自治体やスーパーなどの回収を利用する

プラスチック製品は、自治体のごみ収集やスーパーのレジ袋回収など、様々な方法で回収されています。

自治体やスーパーなどが、回収した廃プラスチックを回収・買い取りを行う企業もあります。

株式会社Peaceingでは、個人からの廃プラスチックも買い取りも行っています。

再利用できるプラスチック製品を購入する

再利用可能なプラスチック製品の購入

再利用可能なプラスチック製品を選んで購入することで、環境に配慮した消費行動が可能です。

再利用できないプラスチック製品の例としては、以下のものが挙げられます。

  • パン袋のクリップなどの小さいプラスチック
  • お菓子の袋などのプラスチック
  • 臭いや汚れが、こびりついたプラスチック
  • アルミニウムなどが含まれるプラスチック  など

これらを含んだ製品を避けて生活することでも、環境に貢献できます!

プラスチック製品を購入しない選択も

プラスチック製品を使わず、代替品を選ぶことも重要です。

プラスチック代替品の例には、以下のようなものがあります。

  • 紙ストロー
  • 木でできた食器
  • 石灰石から作られたレジ袋  など

これらの製品を積極的に利用することで、プラスチックフリーな生活ができるでしょう。

プラスチック新法で変わる企業の取り組み

2022年4月からプラスチック新法と呼ばれる法律が制定されました。

プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律

引用元:プラスチック資源循環促進法の概要 環境省

この法律による、企業の取り組みの変化について紹介していきます。

環境配慮設計の認定:グリーン購入法インセンティブ

プラスチック新法によって、企業は経産省から環境配慮設計に基づいた製品の認定を受けれます。

つまり経産省に優良な製品であると、認定されるということです。

これにより認定された企業はグリーン購入法に基づき、国などが製品を調達をする際にインセンティブを受け取れます。

グリーン購入、グリーン購入法とは何なのかは、次の通りです。

グリーン購入とは、製品やサービスを購入する際に、環境を考慮して、必要性をよく考え、環境への負荷ができるだけ少ないものを選んで購入することです。

 

この法律は、国等の機関にグリーン購入を義務づけるとともに、地方公共団体や事業者・国民にもグリーン購入に努めることを求めています。

引用元:環境省

製造・販売者等の自主回収の認定制度

プラスチック新法によって、製造業者や販売業者などが自主的に回収することが認められました。

これにより廃棄物処理業者に回収費用を支払う必要がなくなり、回収・リサイクルの促進が期待できます。

まとめ

本記事では、ここまでプラスチックの再利用について詳しく紹介してきましたが、いかがでしたか?。

まとめると

  • 廃プラスチックの再利用法は以下3つ
    • マテリアルリサイクル
    • ケミカルリサイクル
    • サーマルリサイクル
  • リサイクルにおける日本と世界の違いは、サーマルリサイクルの扱い方
  • プラスチックリサイクル技術における新たな取り組みは以下5つ
    • バイオプラスチックの開発と普及
    • 複合樹脂のリサイクル
    • リサイクル可能なプラスチックの開発
    • サーキュラーエコノミーの推進
    • プラスチックフリーな製品・サービスの開発
  • プラスチック再利用のため消費者ができることは以下3つ
    • 自治体やスーパーなどの回収を利用する
    • 再利用できるプラスチック製品を購入する
    • プラスチック製品を購入しない

        ということでしたね。

        プラスチックのリサイクル技術は進歩してきており、世界的にもリサイクルへの意識が高まっています。

        消費者である我々にもできることが、少なからずあるので積極的に行動して環境問題に貢献しましょう!

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